2022/07/12(火)晴・27/76
昨日は、映画「アルピニスト」を観た。
・・・断崖絶壁に命綱なしで挑む若き天才アルピニスト、マーク・アンドレ・ルクレールに密着したドキュメンタリー。世界有数の岩壁や氷壁を、たったひとりで命綱もつけず登るというクライミングスタイルの「フリーソロ」を貫いてきたマーク・アンドレ・ルクレール。
名声を求めない彼自身の性格から世界的な知名度はほぼ皆無だが、不可能とされていた数々の難所に挑み、新たな記録を次々と打ち立てていく。そんな知られざる天才に、これまでクライミングを題材にしたドキュメンタリー作品を数多く手がけてきたピーター・モーティマー監督とニック・ローゼン監督が密着。雄大な自然を背景に、体力と精神力の極限に挑むマークの姿を、臨場感あふれる映像で映し出す・・・ネット
実在した人物の2年間のドキュメンタリー。数々の単独での初登攀。彼は無雪期の岩場だけでなく、積雪期の「岩・雪・氷」をこなす。
・・・カナダのマルク・アンドレ・ルクレールが、パタゴニア・トーレ山群のトーレ・エガーを単独で完登した。冬季の登頂としては第2登、単独では冬季初登となる。
マルクは1週間前にもトーレ・エガーを East Pillar からトライしているが、山頂直下200mから天候の悪化により撤退している。今回はラインを変え、下部は新ルート、上部は Titanic につなげて登っている。マルクは昨年2月にセロ・トーレ、10月にアグハ・シュタンハルトも単独で登っており、これでトーレ山群全てを単独で登ったことになる。トーレ・エガー自体の冬季初登は2010年のスイスのダニ・アーノルドらによるもので、単独での初登は今年の1月にコリン・ヘイリーによるもの・・・ネット
彼のこだわりは、あくまで、「単独・無確保(フリー・ソロ)」しかし、皮肉なことに、ペアで上った山が最後になる。
この辺は、単独行が多かったが、ペアで北鎌を上って遭難死した、加藤文太郎と似ている。単独でないことで、判断にブレがでたのだろうか。2018年3月、25歳だった。余りに早い夭折だった。
アルピニストで歴史家のバーナデッド・マクドナルドが「何にも拘束されず、解き放たれ、完全にひとり。ハイレベルの単独登攀(とうはん)は一種のアートだ」と語れば、同じくアルピニストのラインホルト・メスナーも「過酷な状況に置ける生還というアートだ」と語ったという。
そして、そのアルピニストたちのDNAを純粋に、色濃く受け継いでいるのが本作の主人公であるマークだ。
おわり