小楢山・3

2022/10/19(水)晴れ

つづき

 大昔は勿論、GPSなどなかった。GPS導入のキッカケは、2016年4月30日、KS、KY、私で唐松岳に上った際、物凄いガスによる「完璧なホワイト・アウト」で苦労した。

「ホワイト・アウト」は、富士山でも何回か経験している。深いガスで二ッ塚から下るに難儀したこともある。

「ホワイト・アウト」は、ビギナー・ベテラン関係ない。その時、冬も何回か上っている唐松山荘がどうしても分からなかった。時間は迫り夕方になった。完全に「遭難」の言葉が過った。

地図読み(地図は見るモノでなく、読むモノ)

小屋が分からないので、下山を始めた。そうしたら、下から誰か上って来た。小屋の方だった。九死に一生を得た。

ガスは翌日も酷く、縦走は断念し下山。しかし、皆はガスの中の下山に躊躇し、小屋から誰も出てこない。我々ともう1パーティーのみ。「ホワイト・アウト」は、昨日と変わらなかった。兎に角、自身の1m円内しか分からない。

上部の岩稜は、何処が山で、何処が絶壁か全く分からず、恐怖の下降だった。その時、もう1パーティーの方がGPSを携帯していた。GPSは、昨日上って来た軌跡が残っているので、それを辿れば安全に下れる。

下山・1

 しかし、それでもダメだった。大いに迷った。生涯で初めて「リング・ワンデリング」(一回歩いた所に回りまわって、再び歩くこと。当事者は、初めてと思っているが、実は1回(数回かも)歩いている)を経験したり、惨憺たるものだった。

つづく(日記、2~3日休みます)

下山・2