登山時報

2022/09/23(金)雨・25/70

私たち、日本勤労者山岳連盟の機関誌「登山時報」が、年内で止めるという。実質的な廃刊。残念だ。

赤字で存続が難しくなったのだろう。近年、出版物の衰退は激しい。「登山時報」も例外でなかった。また、ニュースでもない、本でもないは、結局、中途半端だった。

登山時報 2022/10月号

その登山時報に毎月、「事故一報」がある。1ヶ月の労山組織内の事故を網羅してある。「他山の石」として、今まで参考にして来た。

今月号に死亡事故が掲載された。今年に入って、6件目の死亡事故だった。場所は、西丹沢・箱根屋沢。神奈川の58歳の女性だった。単独で滝を高巻中、滝口から15m滑落したという。単独だが、他パーティーが目撃したのだろうか。

この沢は、私も遡行したことがあるが難しい沢である。山と渓谷の「丹沢の谷」110ルートには、このように解説されている。

・・・・・登攀性格が強い沢だ。連続して現れる沢は、どれも4級クラスで上り応えあり。人工登攀も楽しめる。しかし、巻こうとするとかなり悪く、上級者向きの沢といえるだろう。この沢を楽しむには、人工登攀を含めた、確実な岩登り技術が必要だ・・・・・とある。

亡くなった方の山歴は分からない。単独で箱根屋沢に入ることが妥当だったのだろうか。全て終わったことだが、今後の教訓として「何か」残さなければ、彼女の「死」は無駄になる。

58歳、まだまだ若い。前途洋々たるハズだった。若い方が山で逝くのは、残念で辛い。山の事故は、もう聞きたくないです。